カールが東日本で販売中止となり思い出した事
カールが東日本で販売中止になってしまいましたね。
普段は食べないですけど、なんか買ってしまいました。
カレー味が良かったんですが、無かったのでチーズ味に。
改めて食べると、懐かしい味、うまい。歯の裏へのまとわりつき具合も変わっていない。
カールと言えば小学校の遠足と3つ下の弟の事を思い出します。
小学生6年の私と3年の弟の2人は、前日の夜からテンションが高く、リュックにお菓子やら、ハンカチやらティシューやら入れるのが楽しくてしょうがありません。寝るときも心臓がドキドキしてなかなか寝付けなかった、悲しいかなあの感覚はもう味わえないですね。
当日になり、母親に弁当を作ってもらい、水筒を肩からかけて、帽子を被り、最高のテンションで2人とも家を飛び出しました、晴天です!
私の小学校の遠足は1年生から6年生まで一緒にバスで移動します。行き先は海辺の大きな海浜公園。
私は6年生で生徒会長をしており、先生に頼まれて旗をもって先導を手伝ったりもしました。同級生の友達と一緒なので、弟と話すことはないのですが、たまに弟を気にかけて見たりしていました。
昼になり友達と弁当を食べ、ヒトデなどを見つけワイワイ騒いだりし、時が過ぎ、おやつを食べてもいい時間になりました。
ふと弟に目がいきます。
先生が弟をなだめています。
弟が泣いています。
手にカールの袋を持っています。
どうやら、「カールがおかしい」といっているようです。
おやつに持ってきたカールが粉々になっていて、どれも原型をとどめていない、パン粉みたくなってて、食べられないらしいのです。遠足で歩いたせいで、カールが粉々になったと先生に訴えています。
先生もなだめるのですが、正常なカールが食べられない弟は泣き止まず、嗚咽を上げ出しました。
それを遠巻きで見ている私。
(やりすぎたな、、、)
こう思いましたね。
実は、前の晩、ドキドキして寝付けずにいたら面白いことを思いつきました。もし、テンションMAXの弟がおやつのカールをあけて粉々だったら凹んで面白いだろうな、、、と。
別に悪気はありませんでした。ちょっとしたいたずらのつもりでした。
私はそろりそろりと二段ベッドから降り、そーっとリュックからカールを取り出し、音が漏れないように布団にもぐり、袋を破らずにゴリゴリゴリとゆっくり丁寧に、そして確実にカールを粉々にします。もうね、そのときから面白いんですよ、笑いを殺しながらゴリゴリします。たまに弟がおきていないかのチェックも怠りませんでした。そして、十分粉々になったカールをそーっとリュックに戻しました。
弟の手にあるのは、まさにそのカールです。
やりすぎたな、と思ったと同時に、カールの袋がシワシワすぎるので、人為的にされたもの⇒身近な人間の犯行⇒生徒会長である兄の仕業と連想されないかヒヤヒヤしていました。
しかし、なぜかシワシワの部分には触れられず、何かの拍子で押しつぶされてしまったのではないかと結論付けられた様子です。味は変わらないと説得され、先生がクイッククエンチを与え、弟も泣き止み、最終的には粉々のカールを友達と一緒に嬉しそうに食っていました。私の犯行だとはバレずに生徒会長のメンツも保たれ胸を撫で下ろしました。
家に帰っても、なぜか弟はカールのことには触れず、遠足は楽しかったと親たちに話していました。
たまーに、この光景が何の前触れもなくフラッシュバックするのですが、そのたびに、弟は私がやったことは推測がついていたにもかかわらず黙っていたのではないか、生徒会長である兄のメンツを考えていたのではないかなどと思い、「あー、あの時は弟に悪いことしたなぁ」と弟の泣き姿が思い出され、やけに心が痛むときがあります。
では。