ラーメン屋
今日、昼飯にラーメンを、前から気になっていた駅前のラーメン屋に行きました。
ドア外から中を様子見ると、昼時なのにお客さんは1人。店主が客に何やら話しかけていました。看板を見て、スープのべーすは醤油・塩・味噌の3種類から選べ、醤油ベースの豚骨にしようと決め、開くのボタンを押しガクガクガクとドアが開き店に入る。
いまどき珍しく、券売機がないのでそのまま椅子へ、カウンターのみの10席程の小さな店。一人いた客の後ろを通り、奥側の椅子座り、手荷物を左手の椅子に置いた。
「椅子に荷物置いちゃダメ!後ろのテーブルに置いて!」どう考えても、声のボリュームがおかしい。部屋の広さにあってない。(叱られた?もしくは、ぶっきらぼうな頑固オヤジの店なのか?)
「あ、はい、すいません」と言いながら、改めて店主を見る。年齢70歳位、頭にタオルをまき、黒いTシャツ、胸回りと腹回りが太い、ディス・イズ・ザ・ラーメン屋の親父の体格。
「注文はっ?」
やっぱり声がでかい、居酒屋でオヤジがケンカ腰で熱弁しているときのトーンだ
「ラーメンで」
「どれ?」
「ラーメン」
「どれ?」
少しイラっとしながら、700円の普通のラーメンの写真を指差し、「これっ」
「スープのベースは?」
「あぁ、醤油で」
「あいよっ!」
(最初から、スープのベースはどれにしますかって聞けよ)とおもっていたら、そのオヤジが喋りかけてきた、
「ラーメンはすぐできるから、お客さんにすぐ出せるようにずっと湯を沸かしてるの」
「あぁ、へー」(それ、普通ちゃう?)
「お客さんが来ようと来まいと、僕たちはずっと湯を沸かしてるの、そうするとお客さんはすぐ食べれるからね、もうね、3分でできちゃう。来てから湯を沸かすと10分ぐらいかかるから」
どうでもいい
でも、最初に「ラーメン」と「どれ」のやりとりをしているので、発言を無下にできず、「そうなんですね〜〜」と答えると、「今日は休みだからお客さん少ないけど、平日はいっぱいだからね、来なかったか、やってられないよぉ〜、こんな駅前なのに、、、」
うわ〜、このオヤジ、凄い喋ってくる、、、めんどくさぁ〜。
嫌な予感はあたり、このオヤジはパワートーカー。
その後も、店を3店舗持っているとか、友達のラーメン屋は11ヶ月で2500万凄い儲かっているとか、弟子を70人育てたとか、育つ弟子の見分け方とか、ラーメン屋は儲かるとか、ダメな弟子は金遣いが荒いとか、お客さんあってのラーメン屋、ラーメン屋をやるにはお客さんの事を第一に考えないと駄目だとか、そして
「逆にお客さんの事がわからないラーメン屋は潰れる」
とよくある名言じみた言葉で締めて、振り返りラーメンを湯切りし始めた。
我慢した、我慢したよ俺は、どうでもいい話に付き合い、時にはオヤジを持ち上げたりもしながら、ただ時が経つのを待った、やっとラーメンは出てきた。
麺はパンパンに膨れ、フニャフニャでボロッボロだ、、、
二度と来ねぇ
では。